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湖に映る影(スーザン・E・フィリップス)
シカゴ・スターズシリーズの第5弾であり、日本語翻訳では1作目となるこの『湖に映る影』は、シリーズ1作目である『あなただけ見つめて』のヒロイン、フィービーの年の離れた妹モリーをヒロインに、シリーズ3作目の『あなたがいたから』のヒーロー、キャルの親友のケヴィンをヒーローとしています。そのためか、フィービーとダンの登場率がかなり高いです。
モリーはケヴィンに淡い恋心を抱いていました。そんなとき、モリーがたまたま向かった別荘にケヴィンがダンの命令で滞在していました。ケヴィンはモリーの名前さえ覚えていませんでした。
2人は別荘で共に過ごします。そんなある日、モリーは寝ているケヴィンの布団にもぐりこみました。そんな強制的な性行為の結果、モリーの妊娠が明らかとなります。
モリーはダンにもフィービーにも父親の事は一切明かしませんでした。1人で産むと宣言します。でもダンは何とかして父親を突き止めようとし、とうとうケヴィンの存在に行き着きます。
ケヴィンは妊娠を知り、怒りを感じながらもモリーとの結婚を決めました。ささやかな形だけの結婚式を終え、別荘地で共に過ごすためにその場所へ向かう途中、モリーは流産してしまいました。悲しみにくれたモリーは何もする気にならず、部屋に閉じこもります。初めはそれでも人並みの生活をしていましたが、だんだんと食べる事も風呂に入ることもやめ、部屋の中で1日寝ているという生活を送るようになります。
ケヴィンは尋ねてきて、モリーのその姿を見ると、彼が向かう予定だった彼の故郷へとモリーを連れて行きました。そこは、モリーの書いている童話に出てくる森のような場所でした。
憎しみから始まった結婚。でも、共に民宿を運営し、共に過ごしていく内に、お互いに憎しみがいえ、愛しいという感情が出てきましたが・・・、スーザン・E・フィリップスのいつものヒーロー同様にケヴィンも最後の最後までそのことに気がつきませんでした。私は、過去のヒーローに比べてケヴィンは好きです。そのせいなのかはわかりませんが、今まで呼んだ4作の内ではこの『湖に映る影』が一番好きな話です。
ハラハラドキドキしながら読んでいただけたら幸いです。
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ロマンス小説
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